トークセッション 環境・景観・地方自治 首長の仕事とは に参加しました。

2016年8月17日 12時43分 | カテゴリー: 活動報告

毎年、市民と一緒に行っている野川の定点観測で、水質を確認

毎年、市民と一緒に行っている野川の定点観測で、水質を確認

嘉田由紀子前滋賀県知事と上原公子元国立市長の講演とトークセッションで、環境や景観を守る政策を掲げ、住民主体の地方自治を進めてきたお二人のコラボレーションとあって、さくらホールの会場は満員となった。

県民のための真の県政を目指して、「もったいない」を合言葉に、新幹線新駅とダムの凍結を公約に掲げ当選・実行した嘉田さん。野党知事の立場で、政策について一つ一つ丁寧な説明・説得を続け、自身の人脈をたどり理解者を増やすことで、公約を実現。任期中の県議会議員選挙では新団体を設立し議員を輩出、与党に転じ、二期8年を務められた。新駅とダムの事業白紙撤回については、JR等から営業妨害で訴えられる可能性もあり対策を練ったという。県民のための財政を目指し、無駄を省く信念を貫いた。
一方、国立市で、環境・景観保全を公約に掲げ当選し、公約の実現に邁進した上原元市長。
国立市では、1993年に大学通りのマンション計画をめぐり最初の景観紛争が始まり、96年には日本初の景観裁判訴訟が開始された。99年に上原市政誕生直後に明和マンション問題が勃発。以後景観運動が全市的に展開、日本中の話題になった。国立景観問題は、景観法の制定や「法的に保護すべき景観利益」という新たな司法判断を生む等、多くの成果を生み、住民自治のモデルとして全国から注目された。
この間、3つの裁判が争われたが、第三の裁判、国立市が明和地所に支払った賠償金の上原元市長に対する求償請求裁判について、不等な判決の破棄が叫ばれている。
国立市は、1951年の占領下のまちに文教都市を勝ち取った歴史を誇りに、77年には「文教都市くにたち」の基本構想を固めた。国立市にあっては、まちづくりの言葉を誕生させた市民自治の歴史こそ、環境・景観にこだわる市民意識の始まり、すなわち景観は市民自治の証ともいえるのだ。
景観保護を公約に掲げた上原氏を市長に選んだのは市民であり、上原氏は市民に後押しされ、オール国立で行政としてやれることを精一杯やってきた。市民と行政が一体となって景観を守るために闘ったことは、市民自治として当然のことである。
しかし、市長選の公約を果たすために努力してきた市長が、辞めた後に個人に求償されるような事になれば、改革を主張して市長になることはできなくなる。選挙で、まちづくりの主張を争点として公約しても、実行できなければ、改革もできず無意味な公約になってしまうだろう。
「政策で選ばれるから地方自治として住民の思いを反映できる。新たな住民運動や政策には、それまで利益を受けていた人たちからの対抗は必至であり、これで首長が訴えられたら、新たな政策を掲げられない。」との主張があった。
首長は住民のために、「地域のことは地域で決める」という地域主権への覚悟が必要で、その地方自治のためには、「日常的にまちづくりについて市民が関わる」必要がある。それはまた、「我がまちについて、住民が考え責任を果たすこと」であり、そういう意味では議員・市長を選ぶこともまた一つの市民自治と考えられる。

私も、民意に選出された立場として、今日のお話にはたいへん勇気をいただいた。真の市民自治の実現のために、私自身が迷わず市民と共に同じ視点でまちづくりに携わっていきたい、と気持ちを新たにした。